小川一水『復活の地 1』
復活の地 1
小川 一水
早川書房
2004-06-10
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惑星統一を終え、これから星外列強との対決がはじまるか、という段階の国家の首都を襲う震災で、首都機能と人材を失い大混乱に陥った。数少ない生き残りの高官セイオの奮闘と、慣れない摂政役を受けることになった高皇(誤字ではない)の末娘スミルを中心とした群像劇。この巻では震災が起きてから数日しかたっていない。
現代より少し上程度の技術レベルで関東大震災が起きたら、というシミュレーションノベル的な面がある。行政の使えなさはむしろ阪神淡路大震災のようだ。セイオのスーパー行政官な部分が目に付くほど。
今後星外列強の干渉と併合したばかりの植民地の叛乱が起きるだろうが、どのような形で決着するのかが非常に楽しみ。ただ、中枢をクリティカルヒットするというあまりにもできすぎた震災が、どうやら自然現象ではなさそうなこと。この部分をどうするかが評価を分けるポイントになりそう。
プロローグは見事。
★★★★☆
(book.g.hatenaに掲載したものの再掲)
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